書者不明  甲骨文字

 

 

漢字のもつ生命力に酔う

 

これは甲骨文といい、亀の甲や獣骨に刻した文字で、今を去ること

三千年以上も前の文字である。現存する中国文字の最古のもので

殷時代のものである。

天子や諸大名が政治、事業、戦争など国家の大事を決める時、占

いを立てるために用いたもので、その方法は亀の甲、獣骨にあらか

じめ傷をつけておいて、これを火にあぶって、そのヒビ割れの状況で

吉凶禍福を予知したといわれている。

刀で刻まれたこの文字は直線が多く形はシンプルなものが多い。

ここに掲出した「酒」は、現代われわれが使用している字とほとんど同

じ型である。書体の変遷という流れのなかでその形を保っている漢字

のもつ生命力に驚きを覚える。

われわれは三、四千年の間、この「酒」に酔っているのである。 

 


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